ベルゲンのコーデ(KODE)美術館 エドヴァルド・ムンク作品の見どころ/ ノルウェー

コーデ(KODE)は北欧・ノルウェー第2の都市ベルゲンにある美術館。
エドヴァルド・ムンク作品に関しては世界で3番目のコレクションを持ちます。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051301j:plain

コーデ(KODE)美術館/ ベルゲン・ノルウェー

コーデ(KODE)美術館所蔵のムンク作品の見どころ
《カール・ヨハン通りの夕暮れ(Evening on Karl Johan)》 (1892年)
ムンクがこの絵に描いたのはオスロ中心部にあるカールヨハン通り。
19世紀、パリやベルリン等のヨーロッパの大都市同様、ノルウェーの首都オスロ(当時の名称はクリスチャニア)も近代化が進みました。
近代化は豊かさをもたらした一方、社会を急速に変化もさせ、これに対して懸念を抱く人々もいました。
作品全体に不安な雰囲気が漂います。

 コーデ(KODE)の公式ホームページでムンク作品のデジタル画像を見ることが出来ます:

kodebergen.no

《嫉妬(Jealousy)》(1895年)
前景に描かれている人物はムンクの友人で作家としても活躍したStanislaw Przybyszewskiで、奥に立っている女性はその妻Dagny Juel (Przybyszewski)がモデルとされています。
女性が手を伸ばしているのは林檎。
奥に描かれている男女は楽園のアダムとイブを想起させます。

《メランコリー(Melancholy)》(1894-1896年)
フラれた経験から生じるメランコリーをテーマとした作品。
前景に描かれている人物はムンクの友人Jappe Nilssenで、彼の失恋を描いているという解釈もありますが、専門家の間でも意見が分かれます。

《Woman in Three Stages》(1894年)
1895年にオスロで開催されたムンクの展覧会に訪れたヘンリック・イプセン(Henrik Ibsen)が最も気に入った作品。
女性の若き頃から老いまでを3段階に分けて描いています。
イプセンの演劇「わたしたち死んだものが目覚めたら」(1899年)にインスピレーションを与えたとされる作品です。

《夏の夜、渚のインゲル(Summer Night. Inger on the Beach)》 (1889年)
コーデ(KODE)を訪れる際に個人的に最も楽しみにしているのがこの作品。
現在の鑑賞者の目には革新的な作品と映らないかもしれませんが、当時のノルウェー芸術の中で見ると、ムンクが他のノルウェーの画家とは一線を画していく兆しがうかがえる作品の一つです。
ムンクが夏の休暇に度々訪れていたオースゴールストラン(Åsgårdstrand)の海岸で腰を下ろす妹インゲルが描かれています。

 
ムンク作品を鑑賞するのであればKODE 3
現在、通常KODE 3内にあるムンク作品の展示スペースはクローズしています。
今年(2020年)の3月末までには展示スペースが再び設けられるとのこと。
詳細は美術館のHPでご確認下さい。

http://kodebergen.no/en/article/bergen-munch-collection

因みに、コーデ(KODE)美術館所蔵の作品であっても、他の美術館の展覧会に貸し出している場合、コーデ(KODE)では鑑賞出来ません。

コーデ(KODE)は美術館案内パンフレットを片手に回るのがおすすめ
コーデ(KODE)美術館は4棟に分かれていて、展示している作品数が多いです。
鑑賞するペースにもよりますが、作品をじっくり見る方であれば1日では全て見終わらないかもしれません。
私は1日では足りないと予想して、コーデ(KODE)美術館に2日間の旅行日程を組みました。

コーデ(KODE)の鑑賞チケットは、購入した当日と翌日も有効です。
これは嬉しいですよね。

展示スペースが4棟に分かれていて迷いますが、美術館案内パンフレットがチケット売り場付近に置かれていますので、それを片手に見て回ると、どこでどのような展覧会が行われているのかが把握出来ます。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051226j:plain

小ルンゲゴース湖(Lille Lungegårdsvannet)/ ベルゲン・ノルウェー

小ルンゲゴース湖(Lille Lungegårdsvannet)の側にコーデ(KODE)の4棟が並んでいます。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051150j:plain

小ルンゲゴース湖(Lille Lungegårdsvannet)/ ベルゲン・ノルウェー

白鳥や水鳥が集まる美しい眺めです。

KODE 1
工芸やデザイン関連の展示スペースです。
KODE 1の建物は1896年建築。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051212j:plain

コーデ(KODE)美術館/ ベルゲン・ノルウェー

写真は館内の様子です。

KODE 2
企画展が行われるスペースです。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051159j:plain

エドヴァルド・ムンク展/ コーデ(KODE)美術館

私が訪れた時期は《Edvard Munch. There are Worlds Within Us》が開催されていました。
ベルゲンにて開催のムンク展では過去最大規模とのことで、来場者数は最多を記録したとのことです。

KODE 3
常設展の展示スペースです。
ラスムス・メイエル(Rasmus Meyer)コレクションが展示されています。
ムンク作品を鑑賞するのであればKODE 3です。
ヨハン・クリスチャン・ダール(Johan Christian Dahl)、ハンス・ギューデ(Hans Gude)、ムンクの師匠クリスチャン・クローグ(Christian Krohg)、女性画家ハリエット・バッケル(Harriet Backer)、エーリック・ヴァーレンショル(Erik Werenskiold)、Gerhard Munthe等、ノルウェーを代表する画家の作品を鑑賞することが出来ます。

常設展の展示スペースですが、今回のように大規模なムンク展等があると、KODE 3でも企画展が行われたりします。
私が訪れた時期はムンク自身が撮影した写真の展示「The Experimental Self – Edvard Munch’s photography」が行われていました。

KODE4

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051311j:plain

コーデ(KODE)美術館/ ベルゲン・ノルウェー

KODE 4では企画展が行われます。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051250j:plain

コーデ(KODE)美術館/ ベルゲン・ノルウェー

私が訪れた際には、スウェーデン出身のコンテンポラリー・アーティストであるヘンリック・ホーカンソン(Henrik Håkansson)作品の展示「Henrik Håkansson. One Hundred and One Pieces of a Tree (Norwegian Wood)」が行われていました。

どの棟にもミュージアムショップがあります
どの棟にもミュージアムショップがあり、それぞれ異なった商品が置いてありました。

f:id:PhotogenicHokuo:20200213051238j:plain

コーデ(KODE)美術館のミュージアムショップ

こちらはKODE 2のミュージアムショップ。


ベルゲン市内中心にあるのでアクセス良好
ベルゲン空港とベルゲン市内中心を結ぶトラム(Bergen Light Rail/ノルウェー語: Bybanen)のByparken駅で降車して徒歩約3分です。


コーデ(KODE)美術館公式ホームページ:

kodebergen.no